和食 静流(しずる)(新宿・代々木・大久保)
4.5坪の店内にカウンター8席を配した小体な造り。「和食 静流(しずる)」の菅原紀子さんはこの物件を紹介された際、「1人での切り回しが前提の空間だからこそ、独立に踏み切ろうと思えた」と話す。会社勤めを経て料理の道に進み、「陽羅野家(ひらのや)」(東京・赤坂)、「だいこんや」(同・自由が丘。現在閉店)などで修業した菅原さんだが料理長経験はなかったため、隅々まで目の届く規模でのスタートは好都合だったのだ。
営業は夜のみで3500円のコース(5~6品。食事なし)と、白米・味噌汁・漬物が付く「ご飯セット」600円、そして単品料理数種を用意する。食事をコースから切り離したのは、酒を楽しむお客と、しっかり腹を満たしたいお客の双方に使い勝手がよいように、との考えから。出身地の新潟から「村いちばんの米作り名人」が育てた米を取り寄せてお客ごとに羽釜で炊き上げており、好評だ。
ある日のコースは、先付「松茸、菊花、水菜のお浸し」、椀もの「蓮根万十柚子」、造り「カワハギ」、焼きもの「秋刀魚もみじ焼き」、煮もの代わり「賀茂茄子揚げ出し蟹餡掛け」、甘味という構成。ご飯セットを加えても4100円とリーズナブルな設定だが、魚介には原価を割き、アマダイやクロマグロなどの高級魚が登場することもしばしばだ。
「コースの中では、焼きもので変化をつけることが多いです。一本魚を出した翌週は、ニンジンのクリームをぬって焼いた『秋刀魚もみじ焼き』のように一ひねり加えた品を用意して、常連さんにも楽しんでもらえるよう心がけています」
連日満席が続く同店だが、突然のキャンセルがおよぼす影響が大きいなど小さな店ゆえの悩みもある。そうしたリスクを減らすためにも、「生活圏が同じ地元のお客さまと信頼関係を築き、長くお付き合いしていきたい」と菅原さんは話す。
DATA
TEL.03-3481-6708
営業時間:18時~22時(L.O.)
日曜定休(祝日は前日までに要予約)
オープン:2008年12月
店舗規模:4.5坪8席
客単価:6000円
月商:-
原価率: -
アルコール売上げ比率: -
URL: -